技術の進歩により、今ではスマートフォンさえあれば、いつでも簡単にさまざまなインターネットポルノにアクセスできるようになりました。マスターベーションのときだけでなく、ちょっとしたストレス解消として視聴されることも少なくありません。まるで読書や映画を楽しむように、気軽に消費されています。
しかし、そのような気軽な利用にも、身体や心に悪影響があるのではないかと懸念されています。
実際、インターネットポルノの利用による影響については、神経科学の観点から数多くの研究が行われており、悪影響の存在が次第に明らかになってきています。
ポルノ依存に関する研究成果をまとめた書籍『インターネットポルノ中毒』では、ポルノ視聴により生じるさまざまな悪影響について、次のように報告されています。
ポルノ視聴による悪影響の例
- 勃起不全(ED/遅漏)
- 早漏
- セックス中の射精障害
- 異常なフェティッシュの形成
- パートナーへの関心の低下
- パートナーの価値を低く見る
- 社会不安の増大
- うつ病
- 集中力の低下
- 記憶力の低下
上記にあげた悪影響がすべてのポルノ利用者に生じるかはわかりません。一つだけ当てはまる人もいれば、複数の症状を抱えている人もいるでしょう。
ポルノ断ちのすすめ
もし今、あなたが何らかの体調不良を感じていて、それがポルノの影響かもしれないと気づいているのであれば、ぜひ一度「ポルノ断ち」に取り組んでみてください。
ポルノを断っていく中で、心や体、日常の変化に気づいたら、それをノートに書き留めてみましょう。自分自身の変化をじっくり観察してみて、その変化があなたの人生の目標や価値観に合っていると感じられるなら、ポルノ断ちを続けていく価値があるはずです。
まずは、「オナ禁」や「ポルノ断ち」の効果について疑う前に、実際に体験してみてください。そして、自分自身をひとつの研究対象として観察してみましょう。今抱えている問題の解決につながる糸口が、そこに見つかるかもしれません。
参考文献
『インターネットポルノ中毒 やめられない脳と中毒の科学』 ゲーリー・ウィルソン 山形浩生[訳]